【 斬首命令 】

01. 口封じ

あなたは私の秘密を知った
あなたの望むものをあげよう

あなたは私の秘密を知った
だから何でもあげよう
私の持つものなら何でも

口封じをしなければならないもの
殺してもいいけど

あなたは私の秘密を知った
あなたに私の血をあげよう

あなたは私の秘密を知った
あなたに私の首をあげよう

あなたは私の秘密を知った
あなたに私の心臓をあげよう

あなたは私の秘密を知った
だから、私の命をあげよう

これだけで、口封じ

02. 知り合い

友達でもなく
知らないわけでもなく
だから知り合い
微妙な位置

私は知り合い
あなたの知り合い
友達でもなく
知らないわけでもなく

戻れない昨日
戻らない昨日
壊れた日々は捨てられる
曖昧な明日を灰にして

あなたは友達
私の友達
決して壊れたわけではなく
それでも進んだわけでもなく

戻らない
戻れない

未来を灰にしろ

03. 脱獄

地獄から抜け出せ
太陽を手に入れろ

地獄から抜け出せ
明日はすぐそこだ

地獄から抜け出せ
自由が欲しい

地獄から抜け出せ
平和が欲しい

地獄から抜け出せ
楽園はすぐそこだ

地獄から抜け出せ
未来はここだ

地獄から抜け出せ

どれだけここが楽園だったのか知りもしなかった

04. 花ことば

想いを込めて
想いを込めて

祈りをこめて
祈りをこめて

この花の意味は知らない
この花の意味を知らない

それでいい
それでいいのです

想いをこめて
祈りをこめて
願いをこめて
夢をこめて

あなたに贈ろう
この花を

05. 独房

ここは誰もいない
独りきりの白い部屋

ベッド


花瓶
それしかない

そして白

何もない部屋
白いシーツ
白い部屋
なんて病的

そしてここには誰もいない
独りきりの白い部屋

ここには誰もいないのです
独りきりの私の監獄

06. ツバサ

ツバサ
ツバサ
ツバサが欲しい

抜け出すツバサ
飛ぶツバサ
自由のツバサ
ツバサが欲しい

ツバサを持って空を飛ぶ
ツバサを持って抜け出して

ツバサ
ツバサ
ツバサが欲しい

抜け出して
抜け出して
空を飛んで
落ちていく

ツバサが欲しい

07. 悲しい叫び

叫び声が聞こえる
助けてと叫ぶ声が聞こえる

それが嘘かは知らないけれど
確かにそれは聞こえたのだ

助けてという叫び声
それは世界から聞こえる声

世界すべて
世界中のすべて
叫ぶ金切り声
響く騒音

叫び声が聞こえる
金切り声が響く
世界の騒音

私たちが荒らすごとに叫ぶ
なんて悲しい叫び声

世界の騒音

08. 独り言

私のまわりは誰もいない
私は独り ただ独り

私のまわりは誰もいない
だから誰も答えない

私のまわりは誰もいない
独り独り独り独り

私のまわりは誰もいない
ずっと独りだったから
誰も私に近づかない

独りは独り ただ独り

誰か私のそばにきて
誰か私の独りにしないで

私は独り ただ独り

こんなたくさんの人に囲まれても
私は独り ただ独り

さびしい

09. 処刑

あなたの首を斬り落として
私は自由を手に入れる

花に嵐の喩えもある
「さよなら」だけが人生だから

あなたの首を斬り落とし
あなたのカラダを解体して
私は自由を手に入れる

あなたから解放される

「さよなら」だけが人生だから
また来る春はいらない

「さよなら」だけで充分だから
また来る春はいらない

あなたの首を斬り落とし
私はすべてから解放される

さようなら
もう二度と会わないことを願って

10. 君に祈りを

学校に行く途中、
君を見ました。

赤い毒々しい傷口と、
くぼんだ瞳が印象的でした

アスファルトには赤い華が咲きました
白い横断歩道にとても映えていました
とても綺麗でした

くぼんだ瞳は真っ黒で
暗く暗く、ただ黒く
その奥に昏い昏い闇を見ました

綺麗でした
綺麗だったのです
そこにひとつの理想を見ました

所詮闇は闇でしかなく
終わりは終わりでしかないのです

そして、失ったモノに鎮魂の意を表して
祈りの意味は知らないけれど

どうか君に祈りを



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