【 宗教改革 】

01. 聖書

神様が生まれて、
たくさんの時間が流れました

私たちが生まれて、
たくさんの時間が流れました

この星が生まれて、
たくさんの時間が流れました

たくさん、たくさん、
時が流れました。

この星はいのちを刻みました。
私たちは神をつくりました。
神様はすべてを助けました。

神をつくったのは私たちだけど
私たちは、今生きています

この星がすべてを刻む
一つの書となりますように

02. 迷える子羊

迷い願い惑う
神様、どうか助けてください

『迷い』
  たくさんの道が幾重にも伸びている
  私はどれを歩けばいい?

『願い』
  私の願い、私の夢、私の希望
  夢を見て進み、夢を見て止まる

『惑う』
  どの選択をしたらいいのかわからない
  どの選択がいいのかわからない
  立ち止まり、目を閉じる

迷い願い惑う
神様、どうか助けてください

だからこそ、
神様、どうか助けないでください

立ち上がらなくてはならないから

神様、どうか助けないでください

03. 導火線

火は燃える
火が燃える
刻は進ばかり
止まることを知らずに

火は燃える
火が燃える
火故に萌える
続くまで

燃える燃える
続くまで
燃える燃える
終わるまで

導火線
止まることを知らず
火は燃える
燃え続ける

刻は止まらず
火は燃える

止まることを知らず

04. 満月

月よ満ちて時よ止まれ
月よ欠けて時よ進め

日々常々欠けた月
常に非ず満ちた月

時が止まり時が進み
くるくるくるくるくるくるくるり

すべてこの世のものなれど
すべてこの世のものならず

時が止まる 時よ止まれ
時よ進め 時が止まる

月が満ちて月が止まり
そして私が生まれる

すべてこの世のものなれど
すべてこの世のものならず

生まれる

05. 子供たちが消えた

子供たちが消える

神様がお気に召した子を
次々と消していく

綺麗な透明な白い魂を
次々と消していく

かわいそうな子供たち

独りで生まれて独りで生きて
人に関われど真白のままで

その白故に神様に
消されてしまった子供たち

なんとうらやましいことで
なんと不幸なこと

神様、私は、
あなたを敬えばいいのか
憎めばいいのか
わかりません

神様、どうか
かえしてください

06. 賛美歌

神様は天高くおわし召す
神様のための歌を歌う私

神様のために歌い
神様を讃える

私は独り、神様を信じない

神様を讃えても
讃える歌を歌っても
世界の美しさを讃えても

私は独り、神様は信じない

神様、神様
おられますか? 見てますか?

私はあなたを信じない

神様は天高く
我らを決して救わず

私はあなたを信じない

07. 革命前夜

革命がはじまる
人がたくさん死ぬ

私たちは知っている

たいせつな人はいますか

人がたくさん死ぬ

守るために戦うのです
崩すために戦うのです
解放と勝利を願い
一瞬の安堵と共に

たいせつな人は笑っていますか

革命がはじまる
人がたくさん死ぬ
たくさんの祈りを見る

たいせつな人はいますか

失った痛みが残る夜

あなたはどうしますか

08. 免罪符

何を許されるというのでしょうか
私たちは何一つとて許されたりしないのに

罪は免れたとしても
身に染みついた香りは消えぬ
真っ赤な真っ赤な罪の香り

喩えその符を持っていれども
消えぬよ消えぬ罪は消えぬ

傲慢まやかし虚構ばかり
変わるものなど何一つなく

赤は赤故赤であり
百合は百合故百合である

紙は紙故紙である
許しが得られるはずもない

罪は罪故罪である
生み出されるものは、次の罪

09. 裁判

裁かれるのは誰でしょうか
誰もが皆罪を犯す

裁かれるのは誰でしょうか
罪の重さも人それぞれで

裁かれるのは誰でしょうか
犯した罪の重さも知らぬ

裁かれるのは誰でしょうか
私であり私でない誰か

裁かれるのは誰でしょうか
そして、裁くのは、誰?

神様?
人間?
他のナニカ?

裁かれるのは
裁くのは
誰でしょうか

罪を犯さぬ者などない

一体、どなたでしょうか

10. 信じる者は救われる

救われましたか?
信じた者は救われましたか?

信じ裏切られ絶望し
それでもあなたは救われましたか?

神様に救いを求めても
神様は助けてくれましたか?

信じて救われた人など
この世にどれだけいるのだろう

ほんの一握り
ほんのわずか
決して多くはない

信じて助けてはくれないけれど
救ってはくれないけれど

多分、それでも、信じるのでしょう

信じる者は救われるのならば
どうか神様助けてください

信じる者が、救われるならば



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