病に倒れたあなたは悲壮感が漂っている 今よりかなり健康だった頃、あなたは言ったわ 「殺してくれ」と だからこそ私はあなたの首に手をかける そしてあなたを殺すの でも、私は殺せない だからいつも中途半端 あなたを苦しめてばかりね それでも 今日もあなたの首に手をかける あなたは私が殺せないということを知っていて 「殺して」と頼んだ だから大丈夫 だから今日も あなたの首に手をかける 蔦は空へと伸びていく くるくるくるくる 蔦は空へと伸びていく 永遠に続く螺旋の如く 蔦は空へと伸びていく くるくるくるくる 蔦は空へと伸びていく それでも空へは届かない
03. 姫 , 妄想 , 静寂 イブは箱舟に乗れたのかしら? 聖書はそこまで書かれていない イブは箱舟に乗れたのかしら? それとももう死んでいた? イブは箱舟に乗れたのかしら? アダムを一人置き去りにして イブは箱舟に乗れたのかしら? 独り 罪人のまま イブは箱舟に乗れたのかしら? 聖書はそこまで書かれていない 焦げ跡が、ある 私に焦げ跡が、一つ 誰かの涙が私に触れる 私の焦げ跡に、触れる 誰かの涙と私の涙が合わされ 私の焦げ跡に沁みわたっていく 涙、一つ 焦げ跡、一つ 沁みわたってゆく 舞を舞いましょや 夜ごと行われる祭りの中で 舞を舞いましょや 今宵は満月 明日は朧 そのまた次は新月で 舞を舞いましょや 夜ごと行われる祭りの中で 舞を舞いましょや 月の有り無し関係なく 舞を舞いましょや 夜ごと行われる祭りの中で 舞を舞いましょや まだまだ宵にもなりはせぬ 舞を舞いましょや 私と共に舞いましょや 舞を舞いましょや 夜ごと行われる祭りの中で 舞を舞いましょや まだまだ宵にもなりはせぬ
07. 意義 , 願い , てのひら 廃墟で倒れた私が見た夢は悪夢 あなたが離れていく夢よ あなたが死ぬ夢よ 廃墟で倒れた私が見た夢は悪夢 眩暈なんてするもんじゃないわ 悪夢しか見ないもの この世界は怠った この世界は崩壊する この世界は怠った 孤独を解放する術を この世界は怠った 禁断を禁断のままにしておくことを この世界は怠った 故にこの世界は崩壊する 私のどだいに注射をひとつ たちまち真っ赤に染まってく 私のどだいに注射をひとつ もう痛みなんてない 私のどだいに注射をひとつ もう血が全部なくなった 私のどだいに注射をひとつ その血は私のあなたへの愛 私のどだいに注射をひとつ 全部あげるわ 大事にしてね
11. 浸水 , 窒息 , 紫唇 ブランコの上には手紙が一つ 昼間私が置いた物よ やっぱりあなたは来なかったのね あなたは手紙を開けなかった もう私たちおしまいね だってあなたは来なかった 私との約束があるのに 私を待たせたまんま だからもうおしまいなのよ これが私に出来るあなたのための唯一のこと さよなら せめて出会ったあの日のように 星空の下で別れましょう 桜の下には屍が埋まっている 吸え吸え 深紅の緋色を 吸え吸え 屍の緋色を 咲け咲け あでやかに 咲け咲け 鮮やかに 緋の花よ 桜よ それが誰のものであろうと構いはせぬ ソレが命の摂理 なれば咲け あでやかに なれば咲け 鮮やかに もう一度 私は病に感染した 私に救いはもたらされない 私は病に感染した 私は悲傷を作るだけ 私は病に感染した 私はあなたを傷つけるだけ 私は病に感染した だから私を連れ去って 私は病に感染した 私に救いはもたらされない
15. 背徳 , 遺棄 , 狂言 葬列が並んでるわ それはダレのモノ? 弔鐘が鳴ってるわ それを鳴らしてるのはダレ? 遺書があるわ それを書いたのはダレ? それを見つけたのはダレ? それを読んだのはダレ? お墓があるわ それはダレのもの? ダレかがお墓に来ているわ それはダレ? そう それは全部 アタシ アタシはアタシ以外に関わらない だからアタシが関わるのはアタシだけ だから アタシが死んだ今でも関わるのはアタシだけ アタシはアタシの世界で今も生きている 配布元:16の御題 |