アオイトリ



「小さい頃から、すごい力が使えるの。魔法みたいな力が使えるの」



「その力が何のためにあるのか、お前は知っているのか」
「コトリには、分からない。でも、きっと、とてもとても大事なことのためにだよ」


「どうして、人の殻を被せたのですか。あれに人格などなければ、こんなにも――――」
「仕方がない、それが世界の意志なのだから」


「どうしてアンタはあれに人の皮を被せるんだ? 純粋な力の固まりに、人の殻を被せても意味はないだろ?」
「うん? そんなのは決まってる。それが世界の意志だからだよ」



「コトリは、何のために生まれてきたのか、何のために生きてきたのか、そんなのは知らない」


 生まれてきた意味。


「でも、コトリは、由弥が大事だってことは、知ってるよ」


 世界と、大切な人。


「だから、」


 そう、だからこそ。
 生きたいと願う心さえ、否定して。


「だから、私は貴方を選ばない」



 それが例え間違っていようとも。
 世界中の誰に非難されようとも。
 私は、いつだってこの選択肢を選ぶ。



 バイバイ、『   』。
 また次の『貴方』を夢見てね。



アオイトリ
− a little blue bird −



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